密室で・・・

日本の鉄道ミステリで最も多いのが、乗り換えなどを利用したアリバイトリックなのに対し、海外の鉄道ミステリで一般的なのは、客車のコンパートメントを利用した密室トリック。
この違いは、海外では日本ほど鉄道ダイヤが正確でなく、アリバイトリックが殆ど利用できないこと、一方の日本ではコンパートメント車両が少なく、列車上で密室が成立し得ないこと、が主な理由と思われます。
最近読んだ2冊の鉄道ミステリは、どちらも密室トリックを扱ったもので、1冊目はこちら。
(満鉄探偵)

作者は近年、鉄道ミステリの新しい旗手と目される日本の山本巧次先生ですが、舞台を戦前の満鉄の、欧亜急行に連結されたコンパートメント式一等寝台車に設定して、密室を成立させています。
もう1冊は、アガサ・クリスティの「オリエント急行の殺人」が刊行された直後、つまり同列車の黄金時代の、そのオリエント急行を舞台にしたこちら。
(オリエント急行はお嬢様の出番)

作者のロビン・スティーヴンスが巻頭の謝辞で書いていますように、この作品は、彼が愛する「オリエント急行の殺人」へのオマージュと言えるでしょう。

この記事へのコメント

ma2ma2
2025年02月28日 15:51
Niceです
2025年03月01日 07:35
おはようございます。
nice!です。
2025年03月02日 05:39
おはようございます!
nice!です。