戦争と機関車

戦争は、国境を越えて鉄道車両を拡散させる大きな契機となります。ことに二度の世界大戦では、世界中で車両の大きな拡散が生じました。直接に世界大戦の戦場となっていない新大陸も例外ではなく、とくにアメリカ合衆国は、いずれの大戦ときにも一方の側について参戦して、援助物資として大量の鉄道車両を戦地に供給しています。
(ロシアンデカポッド)
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画像出典:Wikipedia

第一次世界大戦時、同盟国である帝政ロシアを援助するために米国で製造されたのが、軸配置1Eのいわゆるロシアンデカポッドです。製造はBaldwin、AlcoおよびCanadian locomotive co.が担当し、次々とロシアに送られますが、大戦末期にロシアでボルシェビキ革命が発生すると供給は停止され、米国に残された機関車は改軌のうえ、米国内の鉄道会社に引き取られます。
ところが第二次世界大戦が勃発し、ロシア領内がナチスに蹂躙されて鉄道網が破壊されると、スターリンは米国に援助を要請し、それに応じて米国で再びロシアンデカポッドが製造され、供給されます。結果、両次大戦で製造されたロシアンデカポッドは3000両以上に及びました。
このうち、第一次大戦時に製造された東清鉄道所属の数十両は、同鉄道が満州国に譲渡されると満州国国鉄の所有となってデカA型、東清鉄道の改軌に伴って改軌されてデカニ型、そして第二位大戦後に中国国鉄の所有となってDK2型
http://yangrou.la.coocan.jp/photo/DK2saide.jpg
となっています。
また第二次大戦時に製造されたものの、冷戦によりソ連に供給されなかった20両はフィンランドに譲渡されて、同国国鉄のTr-2型となりました。
さらにソ連は、第二次世界大戦直後、金正日を支援するために、自国が所有していたロシアンデカポッドおそらく100両以上を、朝鮮半島に送っています。
(この項つづく)

この記事へのコメント

ma2ma2
2025年03月03日 15:37
Niceです
2025年03月04日 05:25
おはようございます。
nice!です。
2025年03月04日 11:09
SS、およびそれ以前のSo-netの頃から私のブログを見ていただいている方から、これらの古いブログにはあったnice!ボタンが今のSeeSaaではなくなったので、代わりによく「nice!です」というコメントをいただくんですが、このコメントを見るたびにとあるAV監督を思い出してしまう今日この頃ではあります^_^